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The Spectral Sorrows

いわゆるメロディックデスメタルの最初期の名盤。いや、これこそがメロディックデスメタルの元祖ではないか。
wikipedia日本語版を見ると、「カーカスやディスメンバー、アット・ザ・ゲイツ、アモルフィスなどの作品が、メロディックデスメタル成立の前段階と考えられる。」と書いてあるが、carcassはメロディックではあるもののミドルテンポ化していたし、同時期のat the gatesはまだまだメロディ性向は低かった。Amorphisはたしかにすでにメロディックだったが、メロデスというよりはメランコリーデスといった感じであり、やはりミドルテンポのパートが多用されていた。Dismemberはメロディックであったものの、いわゆる太いデス声とは少し違っていた。

DARK TRANQUILLITYの「Skydancer」も最初期のメロディック・デスメタルだが、完成度がまだ低く、やはりメランコリーなパートを混ぜているに過ぎなかった。
しかし、Edge of Sanityはデスメタルの基調を外さないままにメロディアスな要素を入れていたという点において、真のメロデスの元祖ではないかと思う。
カバージャケットの絵を手がけているのがDan Seagraveであるという点も、正統派デスメタルの流れを汲んでいるという証であるように思えてならない。

とはいえ、そもそもデスメタルという物自体が、わざと調性を曖昧にするようなコード進行を選んでいた音楽なのだから、それをメロディックなものに「戻す」作業ができたこと自体は、それほど驚くべきことではなかったのかもしれない。

このアルバムで驚くべきことは、デスメタルでありながら、聞き手を飽きさせない構成力と音楽的な豊かさを感じさせる点である。Edge of Sanityは、ボーカルのダン・スワノ自身が作曲とギター、レコーディングエンジニアまで務めている。しかも当時、彼はまだ非常に若い(リスナーには関係ないことだが)。
また、デスメタルのボーカリストがクリーンボーカル(普通の声)で歌っている曲があることや、シスターズ・オブ・マーシーばりのゴスロック曲がある(しかも完成度が高い)ことにも驚かされる。

スネアの音が少々軽い点だけは気になったが、それ以外には文句のつけようがどこにもない、デスメタル屈指の名盤といえるだろう。
この辺の時代から、スウェーデンという国の印象は、福祉国家というよりはデスメタルのイメージに取って代わられたはずだ。

投稿者:管理人
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